料理人 もりえり。さんのバッグ

もりえり。さんって、こんな人

明治維新発祥の地として知られる、山口県萩市出身のもりえり。さん。現在、神奈川県鎌倉市で、小料理屋「酒糸(しゅし)」を営んでいます。
酒糸は、JR「鎌倉」駅近くにある、萩のお酒と料理を楽しめるカウンター6席だけの小さなお店。 お料理は、もりえり。さんが手間ひまをかけてつくった滋味深いものばかりが並びます。山口県の郷土料理も毎回メニューに登場するので、これを目当てに同郷のお客さんや萩好きのお客さんが訪れることも多いそう。

「酒糸は、 『山形そば ふくや』の定休日である月・火曜日の夕方から営業しています。調理師学校時代にアルバイトしていたことが縁で、お店をお借りする形で2017年11月にオープンしました。ちなみに、萩市と鎌倉市は、姉妹都市の関係にあるんですよ。」

そう聞くと、地元のために一肌脱ごうとお店を始めた、とつい考えてしまいますが、もりえり。さんの気持ちは、そんな肩ひじ張ったものではなく、とてもフラット。もりえり。さん曰く、大きく二つの理由があるそうです。

カウンターに立つもりえり。さん。柔和な笑顔同様、料理もほっこりとやさしい味わいです。

「わたしは、ただただ萩が大好きなんです。そんな萩の良さを、鎌倉の友人によく話すものの、わたしの言葉だけではすべてを伝えきるのは難しいと、いつももどかしさを感じていました。だったら、萩のおいしい地酒や地ビール、食材を使った料理を食べてもらえれば伝わりやすいのでは、と考えたことが酒糸を始めるきっかけになりました。
もう一つの理由は、ホームシックならぬ、“萩シック” が治らなくて。鎌倉が好きで萩を出てきたのに、鎌倉にいると萩に帰りたくなり、2年くらい毎日泣いていました(笑)。どちらも大好きな街なのに、どちらにいても満足できない自分になってしまったことが、悲しくて悔しくて。だったら、鎌倉で暮らしながらも、萩を感じられる場所をつくろうと思いいたったのです。」

オープンからまもなく2年。いまでは顔なじみのお客さんも多く、もりえり。さんの話を聞いて、萩市に旅行で訪れる人も出てきたのだそう。

「わたしよりも萩に詳しいお客さんもたくさんいるんですよ。おかげで、 わたしの萩シックが治ってしまうほど、 酒糸はすっかり萩になりました。」

現在は、「酒糸」を中心にしつつ、都内のイベントに呼ばれて料理を振る舞ったりと、食を中心に活動を広げているもりえり。さんですが、これから取り組んでみたいことがあると話します。

「お店のように名前や値段があるわけでも必要以上に飾られることもない、家計や生活に根ざした、家族のためだけに作られた料理。わたしは、そんな “名もなき料理人が作る、名もなき料理” に興味があります。
名もなき料理人とは、家族のためだけに料理を作る人のこと。日々の家庭のなかの料理は、家族以外の誰に見られることなく、はかなく消えていきますが、わたしにとっては、むしろそれが美しく、正しい食事の在りかただとさえ感じます。
料理の仕事をしていると、「おいしそうな名前をつけて選んでもらおう」「盛り付けを華やかにして、料金も上げよう」とアドバイスしてくださる人もいますが、わたしは純粋においしく食べてもらえることを大切にしたい。まさに、 “名もない料理” を作るように、食材や食べてくださる方と純粋な心で向き合いたいと思っています。」

聞くと、昔からいろいろな家庭を訪ねては、そこの家族と一緒に食卓を囲んでいると話す、もりえり。さん。

「食材も調味料もシンプルな家庭料理を食べさせてもらうと、無駄がないどころか、ある意味洗練されていることに気づかされます。その家庭で定番と言われている料理のなかには、家族ではないわたしからすると驚く料理があったりも。いつも興味深く、貴重な体験になっています。」

そんなもりえり。さんのバッグの中には、名もなき料理のレシピをまとめたノートも入っている様子。早速見せていただきましょう。

バッグについて

岩川旗店 トートバッグ
愛用歴 4年

岩川旗店は、大漁旗の製作手法を用い、現代の感性に適うプロダクトを手がける、萩市発のブランド。
背景色を青と緑で迷っていたところ、お母さんが青色を選んでくれたのだそう。

選んだ理由

学生時代、帰省の折に父親が買ってくれました。とても丈夫で使いやすいです。使い込んでいくうちに、色味も少し変わりましたが、これがまた良いです。萩焼もそうですが、使っていくうちに馴染んでいくものを長く愛用するのが好きです。
東京で暮らしている時、ショッピングモールで見かけた方が偶然、岩川旗店の同じ型のカバンを持っていて、つい声をかけてしまいました(笑) 。

バッグの中身

左上から順に、キーケース、三ツ矢さんの野菜 ※種類は日によって変わる、『名もなき料理』のノート、ハンカチ(岩川旗店)、ポーチ、財布、カードケース

That’s on a must INSIDEBAG

1.『名もなき料理』のノート

ノートは常に持ち歩いています。酒糸に来るお客さんに、お家で食べたご飯を聞いてはメモを取り、名もなき料理人さんの仕事を勉強させてもらっています。


2. 三ツ矢さんの野菜

南葉山で農家を営む三ツ矢さんのお野菜です。持ち歩こうとしているわけではないのですが、営業前に受け取ってからお店に来るので、必然的にバッグに入っています。
三ツ矢さんのお野菜を食べ始めてから1年以上が経ちますが、四季が一周して珍しい野菜の名前が言えるようになった自分に、近頃嬉しくなります。
ゆっくり加熱したお野菜は、塩さえもいらずにおいしく食べられるので、調理をするわたしも毎回背筋がしゃんとします!

3.ポーチとチャーム

叔母が手作りしてくれたポーチ。10年以上使っています。チャームは小学校のサッカーチームを卒業した際にもらったものです。
子どものころはサッカーばかりしていました。 今でも趣味はフットサルです。 中学生のときに記録したリフティング500回の記録を超えるため、地道に練習中です。 仕事の依頼も嬉しいけれど、フットサルのお誘いも同じくらい嬉しいですね(笑)。
この前、お客さんに「慶事のお祝いをしたいんだけど、何が欲しい?」と聞かれたので、すかさずフットサルボールをリクエストしました。いつか子どもと本気で勝負できる、リフティング上手なママになるのが夢です(笑)。

酒糸で味わえる山口県の郷土料理の一つ、瓦そば。
「関東の方の舌にも合うよう、お出汁は甘すぎないようにつくっています」と、もりえり。さん

もりえり。さんのお店「酒糸」には、萩のお酒が糸の役目を果たし、萩と鎌倉をつなげてくれますように、という思いが込められているそうです。

酒糸は、萩や鎌倉に地縁の無い人でも、どこかふるさとを感じられるやさしい空気を感じられるお店です。鎌倉観光に出かけた足で、立ち寄ってみてはいかがでしょう。ノスタルジックな気分に浸りながら、おいしいお酒に合う、お料理と萩の話題を満喫できるはずですよ。

もりえり。さん、ありがとうございました!

もりえり。さんをもっと知るなら

もりえりごはん:  http://mrer-gohan.com/
もりえり。(@mrer_gohan) • Instagram写真と動画:
https://www.instagram.com/mrer_gohan/
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◆酒糸
 鎌倉市大町1-6-23 ふくやにて
 営業時間 毎週月・火曜 16~22時